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「見えないものを見る力」中学2年A組担任(英語科)

投稿日2026/4/28

 私には好きな脚本家さんがいる。主にテレビドラマや映画の本を書いている方でメディアへの露出はほぼないのだが、作品を見るだけでなく映画公開に伴うトークイベントや大学でのゼミなど、これまでチャンスがあれば足を運んでいる。

 その方の話はプランや結末が見えず、何を言い出すか分からない。もちろん良い意味で、である。不思議な思いつきや突拍子もないアイデア。話を聞けば聞くほど、頭の中をのぞいてみたい、そんな気持ちになる。その中でも特に印象に残っているのが、「私たちは映画やドラマの中で、かれらの一部分を見ている。だから、私たちの見ていない4.3話とか8.7話とかが絶対に存在しているはずだ。」という話だ。語られる「かれら」を書いて生み出しているのは、その話をしているあなた以外誰でもないのに!という時点ですでに面白いのだが、見る側に余白を残すというその方の作品がその話そのもので、とても納得したのであった。

 分野は違えど、先日本校の中学2年生に講演をしてくださった明治大学の宮下芳明先生のお話にも通じるものがあった。ひとつのものだけに注目していると社会の問題に気が付かないよ。見えているものだけでなく、内面や見えない側面を見ようとしよう。「そこにあるもの」ではなく「そこにないもの」を見ようとしよう。私個人はそんなふうに宮下先生のお話を受け止めた。

見えないものを見る力は子どもも大人も関係がない。むしろ中学生や高校生のような柔軟な頭と心で、さまざまな発見をしたり、問いをたてられるようになってもらいたい。切り取りにあふれている現代だからこそ、その奥にある背景や思いに目を向けられる力を育てていきたいと改めて思った。タイトルからすると怖い話を想像したり天体観測の歌を口ずさみそうになったかもしれませんが、最近私が知的好奇心をくすぐられた話、でした。