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体験生100名!料理・焼き菓子部2026春
創部8年目の「料理・焼き菓子部」は週に1度、6学年の生徒が仲良く調理を楽しむクラブです。本校は今年度から共学化しましたので、女子生徒の入部も予想され、顧問も増員して万全の体制でこの春を迎えました。
中高合わせて500名の新入生のうち、料理・焼き菓子部の「クラブ体験」にはなんと100名を超える希望者が集ってくれました。歴代の部長をはじめ部員の皆さんが知ったらきっとびっくりされるでしょうね。なにしろ8年前の初代は「5名」で立ち上げた同好会でしたものね。今年度は65名です。
あの頃、放課後の憩いの場でした家庭科室は昨年取り壊され、今は新館に真新しい家庭科室ができました。
でも、時が経ち、場所が変わっても、変わらないあたたかい空気が、今も放課後の家庭科室に流れていますよ。


そんな感慨に耽りましたのは、今年度の「新入生クラブ紹介オリエンテーション」にて、部長・副部長のスピーチを聞いたときでした。
高3の部長のFくん・副部長のMくんは、この学年でたった2名の部員です。上下の学年は、おかげさまで何十人と部員がいたのですが、たまたま二人。シャイなFくんに、寡黙なMくんですから、ちょうど1年前に任命したときには、「やらざるを得ない状況だし、無理矢理お願いしちゃったかな・・・」と、顧問も少し気になっていました。
でも、そんな懸念はすぐに消し去られました。任命直後からの二人の活躍といったら!
文化祭模擬店運営を大成功に導き、あれから半年。毎回の活動を重ねるたびに、「何十人部員がいようとこの二人を任命しただろうな」と顧問に思わせてくれるほど、その言動は責任感と気配りにあふれています。


私は常々、「人の本質は言葉ではなく、行動に表れる」と思っています。口でどんなに立派なことを言っても、行動が伴っていなければ信用される人間にはなれない、と。彼らにそんな話をしたことはないのですが、まさに背中で後輩を育てる二人です。
彼らは部長職がすっかり板についた高3の今も、相変わらずシャイで、相変わらず寡黙です。でも、誰より先に家庭科室に現れ、最後まで後片付けをして退室します。途中で材料が足りないとなれば、後輩に命じることもせず、近隣スーパーへ自身が走ります。そんな背中を見て、後輩たちは「先輩!僕も行きます!」とすぐに何人も大急ぎでエプロンを外しながら、あとを追いかけるのです。
シンクに洗い物が溜まっていれば洗い始め、ここ数回にわたって、計100名を超える「体験生」を迎えたときには、顧問だけでは足りないと察し、自分の調理はせずに顧問同様、各調理台を2時間半まわり続け、体験生たちの安全面のサポートや工程ミスのフォローをしてくれていたのでした。

入学式からまだ数日後の体育館、「新入生クラブ紹介オリエンテーション」。
新入生たちは「クラブ紹介冊子」を手に、30を超える本校の多種多様なクラブのスピーチを静かに聞いてくれています。活動日や昨年度のメニューなど、500名の新入生を前にうまく話せるかな・・・と少し心配しながら料理・焼き菓子部の出番を待っておりました。
でも、そんな心配は杞憂でした。
開口一番、「料理・焼き菓子部は、あたたかさとカジュアルさが同居したクラブです」。
与えられた2分間、彼らは冊子に書いてあることなんかではなく、自分たちの言葉で、自分たちのクラブが醸す空気について、流れる時間のあたたかさについて、それはそれは滑らかに、堂々と語ってくれたのでした。


思わず、舞台袖から出てきた二人に「素晴らしかったです。二人で相談して考えてくれたの?」と駆け寄りますと、
すっかりいつものシャイ&寡黙な二人に戻っていまして、「いえ、まあ・・・はい・・・」と、照れくさそうに行ってしまいました。
頼もしい後ろ姿を見送りながら、歴代の部長や部員たちの顔が思い出されました。学校は大きく変わりました。でも、本校の伸び伸びとして「個性」を大切にする校風、どんな生徒も活躍の場のある学校生活、日々成長を見せてくれる生徒たち自身の青春のステージであることには、何も変わりはないのですよね。
あたたかさと、カジュアルさ、か・・・。彼らの言葉のチョイスや思いがなんだかとても嬉しくなって、私の胸の内にもあたたかいものが広がります。
私は高1の担任につき、学級開きに忙しく、本校初めての女子生徒を含めた新入生たちの日々の予定をミスなく進めることに、やはり緊張が続いていた春でした。そんな中、聞かせてくれたスピーチは顧問の心もそっと解してくれたのでした。


こうして日々エネルギーをくれる生徒たちへ、この春もいつもながらの感謝でいっぱいです。女子生徒もたくさん入部してくれた家庭科室の活動の様子は、また次の機会にお話させて頂きますね。
次回は、「ナポリタン」と「パウンドケーキ」を作りますよ。楽しみですね。