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「誰かにいつか私のことばが届けば」相談室カウンセラー

投稿日2026/3/4

 1月、中学の各学年を対象に「いのちの安全教育」を行いました。私も講師の1人として、中学生の前で話をしました。カウンセラーという仕事柄、聴くのは毎日のことで、慣れ親しんでいます。けれども、大勢の人の前で話をする機会はほとんどありませんし、苦手意識があります。そもそも話を聞いてもらうには、相手に聞こうという意思が少しでもないと、いくら話しても伝わりません。相手に聞く意思がないなら、聞く気持ちを作ってもらうところからが話す人の仕事です。でも、これが私にはとても難しく感じるのです。

 特に中学生・高校生の時期は、大人の言う「正しさ」をうっとうしく感じる年ごろでもあります。自分で考えて行動したいという自我が強くなるからです。保護者の方からの相談でも、「子どもが言うことを聞かない」という悩みは、あるあるです。親子の1対1の対話ならば、「子どもが聞いてくれそうな状態のときを見計らって」「穏やかな声で」「『〇〇しなさい』ではなく『〇〇しておくといいよね』という選択の余地のある伝え方で」「すぐに行動が変わらなくても、種をまいておくようなつもりで」などの、コツをお伝えすることができます。

 けれども、クラスや学年で話をするときは、多くの生徒を目の前にします。考えていることも、その日の調子も気分も違う、1人1人です。どうやって1人1人に届けたらよいだろうと、戸惑ってしまうのです。その点、日々教壇に立っている先生方は、生徒に聴いてもらうための技をいくつも持っています。さすがプロだなぁと憧れているのですが、急に真似しようと思っても、うまくいくものでもありません……。今の私は欲張らず、たった1人であっても、今すぐじゃなくても、誰かにいつか私のことばが届けばよし、と思っておくのがよいかもしれません。

 来年度も、冒頭の取り組みは、さまざまな学年で続いていきそうです。私もまた皆さんの前で話をすることがあるでしょう。どうかそのときは、「しゃべりのヘタな人が一生懸命何かやってるぞ」と温かいまなざしで聞いてやってください。どうぞよろしくお願いします。