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個性あふれる劇の世界へ!〜松颯祭を振り返って〜 (中1副担任/英語科)

投稿日2026/10/3

 今年の中学1年生の文化祭企画は「劇」でした。日頃から元気いっぱいの1年生たちが、一体どんな世界を舞台の上に創り上げるのか……。練習中から全クラスの様子を見守ってきた私自身、本番をとても楽しみにしていました。いざ幕が上がると、そこに広がっていたのはクラスごとに全く異なる、個性が存分に表現された世界観でした。工夫を凝らした舞台装置に、息の合った音響や照明演出。各クラスの発表を巡るたび、「どうすれば観客の皆さんに楽しんでもらえるか」「世界観に入り込んでもらえるか」を生徒たちなりに試行錯誤したのかな…と考えると劇中胸が熱くなりました。

それでは、それぞれのこだわりと魅力がつまった各クラスの発表をご紹介します。

  • A組:ディズニーのキャラクターと学園生活を掛け合わせた、このクラスだからこそ生まれたオリジナルの脚本でした。物語のラストには、生徒たちならではの温かいメッセージが観客へ届けられました。
  • B組:唯一の「観客参加型」の劇でした。ただ鑑賞するだけでなく、世界観により没入できる工夫が随所に見られました。迫真の演技力も素晴らしく、お客様の感想に「本当に怖かったです!」と書かれるほどの再現度でした。
  • C組:『美女と野獣』の舞台を「裁判」にアレンジしました。果たして野獣がガストンを突き落としたのは有罪か、無罪か……。原作では描かれていない場面を自分たちの視点で捉え直し、新たなストーリーを生み出す発想力には驚かされました。内装や照明の使い方も巧みで、裁判所にいるような臨場感がしっかりと伝わってきました。
  • D組:『異世界進路相談室』という、タイトルを聞くだけでワクワクしました。魔王や妖精、勇者、僧侶など個性豊かなキャラクターが登場する中で、「世界征服に疲れ、安定した公務員になりたい魔王」など、クスッと笑えるセリフと設定で会場を観客を笑わせてくれました。

 どのクラスもオリジナリティを存分に発揮した素晴らしい劇を見せてくれました。しかし、ここに至るまでの道のりは決して平坦なものではありませんでした。練習の過程ではどのクラスも壁にぶつかり、意見の違いから葛藤を重ねていた姿を知っています。けれど、私はそれこそが何より大切なプロセスだったと感じています。葛藤や衝突があるからこそ、生徒たちは自分自身や仲間と本気で向き合い、大きな気づきを得られるからです。そして何より嬉しかったのは、普段の学校生活だけでは見られない、生徒たちの「隠された才能や素顔」をこの松颯祭を通して見られたことです。スポットライトを浴びる役者だけでなく、演者の動きに合わせて音や光を届ける裏方、場の空気を一変させるナレーション、普段はおとなしい一方圧倒的な演技力で観客を魅了する姿、そして見えないところで進んで作業を引き受けてくれた生徒たち…。一人ひとりが自分の立ち位置を見つけ、自分らしく輝いていました。

 今回の経験を通じて、自分の得意・不得意を知り、「今、自分にできることは何か」を自ら考えて動くきっかけを掴んでくれたなら、これ以上の喜びはありません。また、2・3年生の先輩方の劇や映画の迫力にも圧倒されました。照れを捨て切り、観客を巻き込んで楽しませる表現力とエンターテインメント性。中学生の成長スピードには、ただただ驚かされるばかりです。

 今年の葛藤と挑戦を大きな糧にして、来年はどんな進化を見せてくれるのでしょうか。成長を止めない1年生たちのこれからが、楽しみで仕方がありません。